80年代、90年代のヒット曲を読み解くと、
タイトルの言葉がそのままサビの頭にあるということが多い事に気づきます。
一時期は、とても長いタイトルを歌につけることが
流行った時代もありました。
私は作詞の際にサビをどう考えているかといえば、
タイトルとの合致をそれほど強くは意識せずに書くことが多いのです。
私はタイトルもサビも、
ただの言葉としては捉えていません。
私の場合、タイトルは空間であり、
サビは感情と決意です。
そのため、私が歌を書くときには、
サビではタイトルの持つ空間を意識して、
思っていることと、
こうしていくのだという気持ちを書く事にしています。
もちろん全てがこの法則に当てはまるわけではありませんが、
容易くタイトルの言葉をそのままサビの頭に持ってくるということは、
私の場合は少ないのだということを自覚しています。
キャッチーであることが名曲の条件であるとは考えていません。
この考え方には賛否両論あると思いますので、
あくまでも、これは私個人の作詞論としての考え方になります。
たとえば『楽園』という歌があれば、
サビ、または歌のどこかにこの言葉を置くことはしますが、『楽園で〜〜』のような歌の書き方は通常行いません。
そうすることで、言葉だけに頼らずにいることで、
音楽としての深みが出るのではないかと、
私は経験からそう判断しています。
サビが弱くなる理由は言葉にとらわれる事にある。
気の利いた言い回しで歌を書きたいとか、
比喩暗喩をうまく使いたいと思いすぎると、
歌の内容は浅くなります。
サビで表現されるエナジーは
どれだけの広がりと深さを持つかにあると思います。
歌のサビ、それは心とつながった尊い場所です。
人生をどう生きるのかということの問いでもあります。
言葉にとらわれず、良いことを言おうとし過ぎず、
心のままに素直に深く表現された歌のサビ。
それが強いサビの姿だと思います。
あなたの歌にどれだけの人が心揺さぶられ、
どれだけの人が人生に照らし合わせて、
その歌を聴くのか。
歌全体としての統一性。
空間としての音楽。
それが成し遂げられたとき、
歌のサビは強くなる。
だから、言葉としてではなく、
歌は心で書きましょう。
サビの弱さについて、
私に言えるのはそれだけです。
詩人・作詞家
Makoto ATOZI
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詩人・作詞家Makoto ATOZI
