2000年、平井堅『楽園』。
言葉を選ばずに言うなら、
この楽曲は日本中の人々の心を揺らした。
あのような現象は、J-POPの歴史の中でも珍しいものだったのではないかと、今でも思う。
私自身、今までの日本にはなかった種類の楽曲の一端に参加できたという気持ちがあった。
渋谷のセンター街を歩けば、この歌が聴こえてきた。
街のあらゆる場所で、有線から、ラジオから、
激しいほどのヘビーローテーションが繰り返された。
一度、時代の大きな波に触れた者は、
その時の震えを忘れることができない。
私の脳内は今も、あの時の興奮を覚えている。
今でも歌を書く時は常に、
アーティストを巨大にするのだという使命を背負って歌詞を書く。
この人は、人々にはまだ見えていない時代の先を見ている。
そう思ってもらえるような歌を書く。
ありがたいことに、今も私のもとには、
力のあるアーティストに関わる機会が届く。
自分の現状を考えれば、かなりギリギリの暮らしでありながら、
なぜ、今の私がこんなにも素晴らしいアーティストの仕事に参加できるのかと、
いつも人生の不思議さを感じずにはいられない。
それを引き寄せているものは、きっと、
私の中に残っている、忘れられない成功の記憶なのだと思う。
人生で経験したことを、もう一度体験したいと思うなら。
一度経験していることであるなら。
それは何度でも再現が可能なのだという。
だからまず、最初の成功はとても重要だ。
アーティストを巨大にする。
書いた歌を、必要な場所まで届ける。
これが、私にとって人生の大きなミッションだ。
やり遂げよう。
何度でも。
詩人・作詞家
Makoto ATOZI
