『表現する』とは、
時に、壊すこと。
既存の概念を壊すこと。
たとえ、どれだけ壊しても、
壊し尽くしても、残るものがある。
それを『心の灯り』と呼ぶなら、
この灯りをどのように描くのか。
それが表現者の仕事だと思う。
一見、美しいものは喜ばれるかもしれない。
でも、それが記号の組み合わせであったり、
壁の上に塗られたメッキであれば、
それは『泡沫の美』と呼ばれる。
『表現する』とは、壊すこと。
人が安心して欲しがる美しさでさえも壊して、
その先にある輝きを掴んでくる。
それは遠くにあるように見えながら、
本当は、壊した跡に残っている『心の灯り』なのかもしれない。
たとえそれが予定調和ではなくても、
既存の概念を越えて残る灯りを、丁寧に書く。
善を表現することは安全である。
反対者が少ないからだ。
だけど表現者は、そこに安住しない。
それらの当たり前を壊しながら、
自分だけの表現を行う。
綺麗ごとだけに安心せず、
堕落に沈むことで見えたと錯覚せず、
時代が見慣れてしまった姿を、もう一度疑っていく。
きっとその先に、新しい何かが生まれる。
壊された後にも、なお残るもの。
それを私は、『心の灯り』と呼びたい。
詩人・作詞家
Makoto ATOZI
