今までに、どれだけの曲の歌詞を書いてきただろう。
今では、その正確な数は覚えてはいないのですが、
いつも歌詞に取り掛かるそのときは、
今回も届く歌が書けるのだろうかと、
不安と希望が半々に混ざり合います。
歌はメロディーと歌詞でできています。
歌詞は言葉でできています。
だから私は口語を大切にしています。
誰かに励まされたときの言葉。
誰かのことを励ましたときの言葉。
話してきた愛の言葉。
話されてきた言葉の奥にある愛。
孤独に耐えている人の強さが滲む言葉。
愛する人が望む未来を話すときの言葉。
何気ない挨拶の言葉。
その全てが歌の核になります。
だから、私の場合は歌を書くときは、
誰かが話していた印象的な言葉から、
書くべき歌を紐解き、導きます。
そうして最初に決めるべきこと。
それはタイトルです。
私の場合、記憶にある誰かが言った印象的な言葉と結びつく形で、
歌の輪郭が浮かびあがりタイトルがはっきりとします。
そのため、私は歌の構成要素の中でも、
タイトルをとても重要視しています。
タイトル次第で、歌の印象は大きく変わります。
まだ輪郭の弱い歌が、タイトルによって立ち上がることもあります。
良いタイトルは自ら良い歌になろうとする性質を持っています。
そうしてタイトルが決まったら、
歌の書き出し、またはサビの書き出しを考えます。
このときも人生で記憶している誰かの印象的な言葉から、
その奥にある物語を描き出します。
実際に自分が言葉にしたこと。
実際に自分が言われたこと。
大切な人から聞いた人生の願いなどを言葉・歌にします。
手紙のようであるよりも、
話し言葉であるような歌詞を私は良しとします。
語りかけるように言葉を歌にする。
これは私が一番大切にしていることかもしれません。
歌のあらゆる場所で、私は相手へ、
そしてリスナーへ語りかけます。
その始まりとして、
揺るぎないタイトルがあります。
何気なく考えるタイトルではなく、
まるで”一つの世界”としてタイトルを導き出す。
ここに作詞家、ソングライターの大きな仕事があります。
センス、才能という言葉を簡単に使ってはいけませんが、
タイトルの決め方には、やはりセンスがあります。
けれどそのセンスは、言葉をどう聞き、どう記憶し、
どう歌の中心へ置くかという経験の中で磨かれていきます。
グッとくるタイトル。
それがあれば、
歌が立ち上がります。
歌詞の書き方を学びたい方に向けて、
メールでの作詞講座を開いています。
歌詞は自分一人で考えることもできますが、
第三者の視点が入ることで、
見えていなかった輪郭が見えてくることがあります。
必要な方には扉は開かれています。
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詩人・作詞家
Makoto ATOZI
2000年 平井堅『楽園』よりキャリアをスタート。
以後、嵐『トビラ』『ONLY LOVE』
V6『ありがとうのうた』上白石萌音『ジェリーフィッシュ』など
今までに約130曲の音楽制作に参加し、現在も書き続けている。
