【作詞講座コラム】食品パッケージから色が消える時代に、歌は何を残せるのか

『楽園』を書いて数年後、
ディレクター(レーベル社長)にお会いした時に、
「ATOZIさんの歌詞には色が少ないね」と言われたことがありました。
何気ない一言でありながら、私には深く刺さり、
そこから島谷ひとみさんの『J.U.M.P』嵐さんの『トビラ』『ONLY LOVE』など、
輝きを感じられる歌も多く書くようになりました。

昨日、読んだニュース記事に、
カルビーなどが、一部商品の食品パッケージを、
現在のカラフルなものから白黒へと変更すると書かれていました。
私たちに馴染みの深いポテトチップス、かっぱえびせんなどのパッケージを、
現在のカラフルなものから白黒のものへと変更するのだそうです。

印刷用インキの溶剤などの原料となるナフサの不足が直接的な原因とのことでした。
それは企業努力や原料不足への対応であり、単純に批判する話ではないと思います。
けれど、生活の中の色が減るということは、人の心にも何らかの影響を与えるはずです。

スーパーやコンビニの棚は、これまで、
無意識の安心や華やぎを人の暮らしに与えていたはずです。
赤、黄色、緑、金色。そうした色が少しずつ抑制される時代に、
人はどこで心の色を受け取るのでしょうか。

私は毎朝、マクドナルドで140円のコーヒーをいただきながら作業をすることを習慣にしています。
今朝もマクドナルドまでの30分ほどの距離を、
J-POP HITSというチャンネルを聴きながら歩きました。

音楽は本来、勇気と希望を心に与えてくれるものなのだと私は信じています。
それなのに今朝、J-POP HITSのチャンネルを聴いていると、
だんだんと元気が薄れていくような自分を感じるのです。

これは批判ではなく、ただ感じたままのことを私は話しています。
私が書いた『楽園』にも当時、重さや暗さを感じた人はいたのかもしれない。
そんなことも感じました。
それでも、私はあの歌の中に私の中にある灯火を確かに宿しました。

街の中から色が消えていく時代。
私も最近、ホームページを黒色メインに変更しました。
偶然のタイミングではありましたが、それが本当に良かったかどうかはわかりません。
私の場合は人生に黒を羽織ると決めたことから黒にしました。
そして、『黒を纏い、愛を残す』と語るような私が言うには憚られるかもしれませんが、
色が消える時代だからこそ、歌の中には色が必要になると思います。

それは派手な色、攻撃的な色、ただ艶やかな色というのではなく、
心に灯る灯りのような色なのだと思います。

パッケージから色が消えていく時代。
歌にはまだ力があると思います。

歌にも原材料はある。
今は、もしかしたらその原材料が、
歌においても不足しているのかもしれない。

でも、歌の原材料は、私たちの心の中にあります。
そこには本来、尽きることのない感情や記憶や祈りがあるはずです。

ただ単に怒りや嫌悪だけを歌うのでは、
一瞬の共犯者は現れるかもしれませんが、
それは長く続く色ではないと私は思います。

花々が織りなす自然の美しさ。
山脈の上に広がる青空。
私たち人間は、やはり美しい色を求めているのだと思います。

歌にも、人の心に美しい色を残すことはできるはずです。

私の作詞講座では、言葉をうまく並べるだけではなく、
その歌が聴く人の心にどんな色を残すのか、
どんな灯りをともすのかを一緒に考えていきます。

必要な方には扉は開かれています。

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詩人・作詞家
Makoto ATOZI

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