【作詞講座コラム】作詞は、考える前に感じることから始まる

作詞とは、考えた言葉を並べることではなく、
感じ取ったものに言葉(音楽)の形を与える仕事です。

時代を感じる。メロディーを感じる。リスナーを感じる。
今を感じる。過去を感じる。未来を感じる。
言葉から感じる。書きながら感じる。

ブルース・リー、スティーブ・ジョブズ、コム・デ・ギャルソンの川久保玲など、
分野は違っても、表現の核心に近づく人ほど、
理屈だけでは届かない領域を大切にしているように思います。

何度かブログでも書きましたが、
良い歌の一節が書けた時、私は叫びます。
それはエクスタシーに似た状態です。

また、良いデモ音源、メロディーに出会った時にもエクスタシーの状態にあります。
ここからどのような言葉や物語を感じ取り、
どのように歌へ転写していこうかと、
私の中の作詞家としての感覚が、強く動き出している状態なのです。

多くの人々はただ、
歌詞を作り上げるために”言葉”を書こうと思います。
作詞は、言葉を書こうと思うのではなく、
感じたことを表現する仕事です。
ライティングとクリエイティブは根本的な姿勢が異なります。
作詞はライティングではなくクリエイティブです。

それは何かを説明する作業とは異なります。
それは何かを表現するための作業です。

”愛している”という言葉があるなら、
それをどう感じて書き、どう感じさせるか。
メロディーのどこにこの言葉は呼応したのか。
歌の隅々にメロディーと言葉が響き合った痕跡を残します。

そのため、歌を書きながら感じる。
この感覚こそが、
作詞をする時の作詞家の姿勢だと私は思っています。

今の時代に漂う気配を感じる。
メロディーに潜む感情の機微を感じる。
歌の向こうにいるリスナーの感情、孤独、願いを感じる。
今ここにいる自分を感じる。
私は在る、と感じる。
過去のふれあいを感じる。未来の希望を感じる。
言葉の一つ一つの意味を感じる。
書きながら生まれるインスピレーションを感じる。

歌詞を文字で書こうとするから言葉に詰まります。
作詞は感じながら書くものなのだと思います。

フローに乗ったような状態で、軽やかに書く。
どんなに重い内容であったとしても、
書く時は、感じながらフローに乗って書く。
まずは、感じることから始めてみる。

自分という人生を。
音楽という希望を。

作詞は一人で完結させることもできますが、
第三者の視点が入ることで、
新たな輪郭が見えてくることがあります。

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詩人・作詞家
Makoto ATOZI

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