【作詞講座コラム】現場で求められる、臨機応変に言葉を紡ぐ力

作詞の現場では、完成した歌詞を提出して終わりではありません。
多くの場合、1週間ほどの締切期間があり、
まずはその中で歌詞を書き上げます。

提出後、リリースへと進む場合は、
部分的な差し替えや再提案がよく起きます。

「このフレーズにもう少し印象的な言葉が欲しい」
「この部分が譜割りに合っていないので、何か別のフレーズはありますか?」と
瞬間的に差し替えの歌詞が必要になることがあります。

もちろん『少しお時間をいただけますか?』と
一日ほど猶予をいただくことはできますが、
私の場合は瞬時に代替案を出すことにしています。
その方が歌の熱量を保ってより良い歌詞にすることができると思っているからです。

作詞を学ぶ方々の中には、このフレーズは変えたくないという方、
そして自分が書いた歌は本当は一語一句変えたくないという方もいらっしゃいます。
作家として自分の言葉にこだわることは大切なことです。
その考え方を否定はしませんが現実として、
現場では歌詞の差し替えは頻繁に行われる作業であり、
瞬時のインスピレーションもまたプロとして書く上での必須能力と言えます。

制作進行の中で、現場で生まれる一行には、
机の前で長く考えた言葉とは違う、音楽の速度があります。

この時、私は音楽の神様か何か、
目に見えない何らかの力に導かれるような感覚になることもあります。

ディレクターや作曲家といった第三者の視点が入ることで、
歌詞はより音楽として成熟していきます。
制作サイドの意見が重なり、
『この歌詞で行こう』となって、
初めて歌はレコーディングへ進んでいきます。
瞬時に言葉を差し替える力は、単なる語彙力ではありません。
メロディーの重心、母音の響き、アーティストの声、楽曲全体の方向性を、
その場で読み取る力でもあります。

作詞に関する個別相談では、書かれた歌詞をただ評価するのではなく、
どこをどう塗り替えると歌として立ち上がるのかを、一緒に整理します。
必要な方に、扉は開かれています。

60分 30分 作詞講座 作詞家 Makoto ATOZI

詩人・作詞家
Makoto ATOZI

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