好きと涙

 こんにちは。作詞家 Makoto ATOZIです。

 Amazonプライムなどに加入していると膨大な数の映画ドラマが見放題。なんという時代なのか。

 主人公の健気さ。予期しない展開。頑張れ。頑張れと画面越しにエールを送る。神々、天の存在はこんな風に僕たちのことを見ているのかと感じることもある。画面の中に、物語の中に、交わす会話と表情の中に、愛を見たときには心締め付けられるような気持ちになる。

 知らず知らずに涙が溢れている。ああゔぁって言葉にならない気持ちで画面を見ている。

 人が人を好きになる時。

 それはAがBを好きになるという単純なことではなくて、BがAを想う気持ちがつくりだした空間。想念の中でBが積み重ねていく想いと尊さに気づき、または無意識で察し、Aはそれを愛しく想う。愛は時間でもある。

 ふれあう温もり、外観的な美しさ、または親近感、または動物的な欲から生まれる愛に似たものさえも全ては、AとBが想いの中で積み重ねていく真実が大きなつながりを世界として映し出していく。

 点字教室ではアルファベットの打ち方の段に入りました。数字と同じくアエリウルラエレリオロという並びでローマ字と対応するわけだけれど、ラテン語にはWが無かったということから、規則性があまり美しくない。

 ここにDouble u つまりuuとしてあった表記がやがてWとなったという外来語の歴史がある。フランスを発祥とする点字でWという相互的観念がないというのは、仏、仏教にも通じるのか通じないのか、YouがダブルでWなのだ。Wという文字の歴史は浅く、若い単語も多い。

 10%ほどの見えている世界のことだけで物事を知ったように誰もが暮らしているけれど、僕たちの愛、気持ちは見えない90%の世界の中で離れようがない何かを交わし合い、新しい日々を描き続けている。

 好きと涙が描き出すこの世界を愛しく思う。人に言えない想い、言わない想いを尊く思う。

 誰もが本当は人が好きで、つながり合いたいと願っている。

 フィクションと言い切るのではなくて、ドラマ、映画を見ることで、泣いて泣いて吹っ切れることもある。音楽もいい。潜在意識に働きかけるパワーがある。

 作り物の中にも気づき、この世界を愛しく思える種はたくさんある。そうして本物の笑顔に出会えた時、その笑顔を作り出している想いを愛しく思い、世界は素晴らしいと思うことができる。Wという言葉のある世界。良いとか良くないではなく、Wというメッセージを知る世界。

 何があろうとも楽しく明るく、がんばりたいなあと思います。あなたが幸せでありますように。

Makoto ATOZI