フランスパンはフランスパンでも菓子パンのフランスパンさんのお話。

朝のウオーキング中に早朝7時から開いているドラッグストアに入りました。どうしてもパンが食べたかったのです。
小麦粉はわりと苦手なのに、パンの誘惑には勝てなかった。

菓子パンの棚に並んでいた大きなフランスパンさんを手にとって、トイレットペーパーがもうすぐで無くなるので、トイレットペーパーと一緒にカゴに入れ、レジでお金を支払い、自宅へと帰路をテクテク。

信号機前の歩道には通学途中の小学生の子たちの列があり、空を見上げれば少し春めいた青色。
息は白い。
右手にさげているトイレットペーパーと買い物袋から顔を出しているフランスパンさんを見て思ったのです。

フランスパンって幸せのかたちをしている。

焼きたてのパン屋さんで購入したわけではない袋入りのフランスパンさん。
フランスパン君のようにも見える。
工場生産の冷めきっている添加物入り菓子フランスパンさんでも、たとえトイレットペーパーと一緒だとしても、買い物袋から顔を出している、ニョンとしたパンの形と焼き色には幸せの空気とオーラがある。

車移動では味わえない感覚かな。
徒歩でテクテク歩く寒さの中に春めいた朝。
右手に持っている買い物袋から顔を出している存在感のあるフランスパンさん。
なんのこっちゃという人にはなんのこっちゃという話。
車の窓にも地面にも霜が降りているような、すごく寒い朝。地面は凍っている。それでも少しだけ昨日より春めいた空気の中で、買い物袋から顔を少し出しているフランスパンさん(君?)の存在感に気づいてしまいました。
それだけで、朝からなんだか幸せな気持ちになれました。

自宅にたどり着き、キッチンへ。フライパンで片面に甜菜糖をふりかけて、両面たっぷりのオリーブオイルで焼いて、シチューにつけながらいただきました。
美味しかった。

先日は、ラーメン屋さんの店角に数人の学生たちがいて、その中の一人の女子が前にいるダッフルコートを着た男子の頭の後ろからパラパラって雪を降らせていて、男子が「何すんだよーっ」とこまった感じで顔を下げて雪をはらっていて、いたずらをした女子が、こまり顔の男子を見て笑っているという、一緒にいる仲間たちは、あらら、という感じで言葉にせずに二人を見ているという、The青春な1ページに遭遇して、これもまた僕を幸せな気持ちにしてくれました。
幸せでありますように。女子と男子。

幸せはいつもささやかなできごとの中にある。張り詰めたりせず、ゆったりと、自分自身にもいつも笑顔をあげたい。

まだ各地では雪の予報もある中だけれど、季節は確実に春へと向かっている。
幸せ探し、もう少し、精度を上げてみたいと思います。なんでもないようなことの中に、かくれている蕗の薹のような春の輝きを探したい。