作詞家としてデビューして、デビュー作がブレイクヒット。作詞家としてのデビュー曲が収録されたアルバム・シングルは累計500万枚以上のセールスになり、依頼されるアーティストの方々の歌を書き、環境が激変したことで精神が耐えられず、僕は何度も音楽の現場から離れたことがありました。
スーパーの早朝清掃のパートをしたこともありました。トイレ掃除をしていると従業員の方が入ってきて、乱れた場所をまた掃除する。そんなときに、自分が書いた歌が店内放送から流れてきたこともありました。(あれはなぜあの時間にBGMがあったのだろう・・・)
でも僕は掃除の仕事が大好きでした。世の中に感染症の広大が始まり、濃厚接触者になったことで退社しましたが(初期でしたので、世の中は今よりももっと過剰反応でもありました)掃除の仕事は今まで就職した仕事の中で(クリエイトではない仕事で)いちばん好きな仕事でした。
いつか、もしもまた何か仕事をとなったなら僕はきっと清掃の仕事を選ぶことでしょう。
僕は自分が歌を書き続けることで、人はどこからでもやり直せるのだということを見せていきたい。そう言うと、「ATOZIは今までの実績があるからそんなことを言えるのでしょう?」という言葉が聞こえてきそうだけれど、それは見えている世界だけでの認識で、実際のところ、今の僕の立ち位置から再復帰というのは宝くじほどの確立の狭き門なのだと当事者として見ています。
年齢、今までの行い、様々な面から見て、僕のような経歴は探せば多いもの。何百万分の一という狭き門を抜けて建てた金字塔ではあったのだけれど、離れてしまえば幻のようなものです。
でもだからこそ挑み甲斐があると決めて、今、僕はもう一度、歌の道を歩んでいます。
誰もが自分が見ている世界と、自分に見えている世界から人生を判断しようとします。僕もそう。10年間ほども音楽業界を離れ、時々いただくお仕事だけで、あとは一般の暮らし。そんな暮らしをしていると、周りも僕のことをクリエイターとして見ないようになったりします。
ましてや初めてお会いする人には僕は自分のことをクリエイターと明かさないことも多かったので、そのような暮らしが10年も続けば、僕自身も錯覚をし始めてしまいます。僕のいる町では、かなりのビッグアーティストに歌を書いても、そんなに驚かれないのです。ありがたいことでもあります。そうして、普通の日々を重ねてきました。
あれ?僕ってなにも持っていないのでは?
今までの人生っていったい何だったのか?
こんな自己問答の苦しみを抱えて歩んできた日々でした。
何もこれは自慢話として話しているのではないです。
僕は思います。たとえば子供を産み育てている方々。親御さんの介護をされている方々。または自分の事業を精いっぱい頑張っている方々。自分の苦しみに向き合っている方々。この世界のすべての人間、生命は等しく尊く、それぞれにとっての大事業を行っています。
僕の場合はそれが歌の仕事であったというだけのこと。
だけれど、人は皆、盲点のある眼鏡で世界を見てしまっている。
だから苦しみに出会ったとき、悩みを抱えたとき、自分に見えている世界の常識だけで問題を解決しようとしてしまう。突破しようと考える。隣の芝生が青く見えてしまう。
そんな時に僕は思います。きっと、見えている世界のレンズをすこし変えてみるだけで、解決策は浮かび上がってくる。
僕たちの見ているメガネは盲点だらけです。心地よくあるために見えない場所をたくさん作り上げてしまっている。それに筒のようになっていて、せっかく広く奥深いこの世界のほんの一部しか見ることができないようにしてしまっている。
だからちょっとしたことで人をうらやんでしまったり、自分のことを蔑んでしまったり、未来に希望を持てないような気持ちになってしまうこともある。
世界は広い。僕たちに見えていない世界があんなにも高く広く、僕たちを待っていてくれている。見つめていてくれている。包み込んでくれている。
越えられないような困難?治らないような難病?どうすればいいかわからないような経済的な窮地?
世界を広く見たならきっと、新しい言葉が聞こえてくる。光ある景色が見えてくる。誰がそんなことを言ったのか?その苦しみを決めたのは誰か?
あなたの人生を決めることができるのはあなたの魂だけです。そして魂とつながっている天。
この両者だけが、僕たちそれぞれの人生を導く舵を握っている。
僕はここから確実に人々に光を見せる言葉、物語を見せる言葉、ワクワクするようなエンターテイメントと歌を書き続けていく。
あなたにはその証人になってほしい。
人はどこからでもまた再スタートすることができる。
どんな苦しみからだろうと立ち上がることができる。
僕の読者さんはみなさん自立した素晴らしい方々といつも記事を拝読しながら感じていますので、恥ずかしいばかりですが、こんなクリエイターもいるのだと、面白く感じ、応援していただけましたらと思います。
僕もあなたの人生に声援を贈り続けます。
誰もが幸せを感じられる世の中でありますように。
世界は広い。
眼鏡の角度を変える、または色眼鏡をはずして、見えていなかった世界を見ていく。そのとき、きっと、自分が見ていた壁なんてマッチ箱のようなものだったと気づく自分がいるでしょう。
僕もいつでも世界を広く見ていける自分でありたい。
僕が、あなたが、幸せでありますように。
Makoto ATOZI
(それだけの歌を書いてきたなら印税がたくさんあるのでは?ATOZIこそ盲点を見ていないのでは?という声も聞こえてきそうですが、ここは僕も見ている部分と見ていない部分があります。一時期はいい思いをさせてもらいました。そして経済的な苦しみを見てきた今。また新たな道が見えてきた今、僕には全てが開けていく景色が今この時とこの先にはっきりと見えています)